vanilla
こちらはヒナの二次創作ブログです。 取扱は黒バス・黄黒SSとなっております。

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いとしいひと

 朝起きる前、うつらうつらとした中で思い浮かんだネタです。
 昨日買いあさった本を読みながら寝落ちしたからだと思います。頭がまさに黒子一色です。
 休みなのをいい事に、朝からパソコン打ちました。

 デキてる2人です。
 続きからどうぞ 

「おーし、練習はじめっぞーっ!」
「ねぇねぇ、これってホントーかなぁ!?」
 軽いストレッチをしていた頭数を確認しつつ、指示した日向の声にかぶさる様にして体育館に遅れて走り込んできた小金井のキンとした声が周りに響き渡る。
 手には薄い週刊誌が握られ、うにゅっとした猫の様な口が忙しなく動いている。
「ちょーショックなんだけどっっ!」
「ってか、お前遅刻だろうがっ! っか、なに雑誌なんか持ってんだよ! お前らも円陣組んで雑誌見始めるなーっっ!」
 監督が生徒会に寄ってから来る事が分かっているからか、ほんの少しのタイムロスという名のお喋りなら許されるだろうと勝手に決め込み、持ち込まれた雑誌を中心に集まる部員に日向の怒号が降るが、眼鏡の端にチラリと見えた煽り書きの名に「ん?」と首を傾げる。
「……黄瀬、って、あの黄瀬か?」
「そー!」
 乗って来た日向に、目をキラリと光らせた小金井がぶん、と顔を上げ勢い込んで雑誌の記事内容をなぞり喋る。
「『週末お泊りデート発覚! 仲良くレストランで夕食後、ホテル街に消えてゆく2人!』」
「……まぁ、よくある芸能欄の煽りだわな」
 モノクロ写真だが、テレビにも良く顔を出す日向も良く知る女モデルと、今年入部した1年生の影響でここ最近でぐんと会う機会が増えてた…というか、勝手にあっちが誠凜に押しかけてその新人にまとわりついているのだが…日向の目からしてもイケメンな男が一緒に映り込んでいる。
「俺この女モデ好きなんだよねー。あーでもやっぱ、モデルはモデル同士なのかなー。本当に付き合ってんのかなー」
「……どうかしたんですか?」
「うわっ! びっくりしたっ!」
 突然間近から届いた静かな声に、日向の肩がビクリと跳ね上がる。
「黒子っ、お前いつ来て…っ」
 もともとの存在の薄さに慣れて来てはいるものの、ちょっと気を抜くと驚かされてばかりだ。
「どうしたんですか?」
 心臓をバクバク鳴らす日向を見上げもう一度問いを繰り返す黒子に、心落ち着かせるのに息を吐きながら日向が説明しようと口を開けば。
「あっ、黒子! ねぇねぇこれってホント!? お前なら黄瀬と仲いいし、何か知ってるだろ!?」
 雑誌を片手に持ち上げた小金井が割り込み、他の面々も思春期年齢らしい好奇心の眼差しで黒子を見つめる。
「……その雑誌、どうしたんですか?」
 中性的な声が穏やかに問う。
「あ、これ? ねーちゃんの持って来た!」
「そうですか」
 パアッと明るく応える小金井に珍しくにっこりと微笑んだ黒子に、隣に立つ日向の目がギョッと見開く。
「! く、黒子…?」
 その笑みが何処かでバスケ部女監督、相田リコに似ていると背筋に冷たい汗を流す。
「……小金井先輩」
「はいぃ?」
「イグナイトパスの練習、付き合って貰えませんか?」 



「ちーす。掃除当番で遅れましたー。…って、うぉっ、なんで小金井先輩死んでるんだよ、ですか!?」
 ガラリと体育館の扉を開いた火神は、真っ白に燃え尽き屍となって床に倒れ込んでいる小金井に驚き声を上げる。
 小金井の側には水戸部がオロオロと心配気に付き添っている。
「なんでもありません。それより火神君、パス練に付き合って下さい」
 爽やかな汗を流す黒子にボールを渡された火神は「あ、ああ」と小金井の死体に気を取られながらも頷きながら思い出す。
「あ、そうだ黒子」
「はい?」
「あいつ、黄瀬って雑誌にスッパ抜かれたモデルと付き合ってんの? 黄瀬の野郎ちょくちょく誠凜に来るから仲いいんだろうって、ここ来る前にクラスの女共に質問攻めにあっちまったぜ」
「――」
 ピクリ、と小さな肩が揺れるのを確かに日向は見た。
「「火神」」
 面倒だったとガリガリと髪を掻く火神の肩を、ポンと伊月と日向が叩く。
「その〝わざわざ〟な一言で〝技ワザ〟を見舞われる。…キタコレっ」 
「だぁほ。お前も見舞われろ。っか火神。お前やっぱバカ神に改名しろや。…ったく、練習になんねぇ」
「え!? なんだ、ですか、その言われよう!? 俺何かしたのかよっ…ですかっ!?」
 2人の先輩の言い様に、火神が焦って言い返すが。
「火神君。早く練習しましょう。今日はイグナイトパス廻を中心に」
「あ、おうっ」
「…御愁傷様だな」
 飛び火されては叶わないと、生贄を差し出し日向は首を鳴らして号令を上げる。
「おーし。他の奴らは基礎練やるぞ! 小金井は邪魔だから隅っこに寄せとけやぁ」
「黒子っちー!!」
 ようやくまともな練習再開、と気分も新たな日向の耳に飛び込んできた情けないイケメンモデルの泣き声に。
「……っかもう、痴話喧嘩は外でやれ、アホンダラがっっ!」



「どうして電話に出てくれないンスか、黒子っち!」
 いつもは凛々しい眦をシュンと下げ、高い身長を折り曲げ覗き込んでくる黄瀬からふぃと黒子は視線を逸らす。
「…気付きませんでした」
「噓っス! 今視線逸らしたっス! それに黒子っちは律義だから、いつもちゃんと電話もメールも返事来れるっスよ!」
「…そうでしたか?」
「黒子っち! こっち見るっス!」
 体育館の裏手の階段に座りこちらを見もせずタオルで汗を拭う素っ気ない黒子に、黄瀬は焦れて強引に細い顎を指で挟みこちらを振り向かせる。
「――」
 強い力に逆らえず、黒子の伏せがちだった眼差しが黄瀬を真っ直ぐに捕える。
「……黒子っち」
 今日ようやく紺碧の瞳に自身が映り込み、黄瀬は眦を下げへにゃりと笑う。
「っ…」
 モノクロだったせいか、何処か冷たく感じた雑誌に映っていた端正な顔が、総崩れしていつもの柔かな表情になるのに黒子は気付かずに詰めていた息を吐く。
「…怒ってるっスか?」
 見えない尻尾を垂らして弱々しく窺ってくる黄瀬に、黒子はふるりと首を横に振る。
「……僕に、黄瀬君の何を怒れと言うですか?」
「――」
 ぽつりと呟かれた囁きに黄瀬の腕が無意識に伸び、その華奢な身体を抱き締める。
「怒っていいんスよ。あんなくだらない記事にされて馬鹿だって殴っていいんス。俺は黒子っちに怒って欲しいっス」
「……あの記事が本当に噓かなんて、僕には分かりませんから」
「…黒子っち…」
 淋しい言葉に、黄瀬は抱き締める腕にさらに力を精一杯に込める。
「噓っスよ。あの写真だと上手く弾かれてるっスけど、撮影の後にスタッフも入れて全員で飯行っただけっス。当然、俺は未成年だからさっさと一人で帰ったっスよ。帰って、黒子っちにおやすみメールしたじゃないっスか」
 俯いた髪に頬をすり寄せ、黄瀬は事の成り行きを説明する。
「…メールは、何処にいても打てます」
 冷静な声が、まだ納得していませんと伝えながらも。
それでも。「信じます」というように、きゅ、と背中を握り締めてくる細い指先が愛しくて。
「黒子っち。大好きっスよ」


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shima500

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Author:ヒナ
アニメ1話~5話、トドメに4話エンドカード!で落ちました…。
原作好きでアニメは観るの躊躇してた人間とは思えない堕ちっぷりっスよ…。

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