vanilla
こちらはヒナの二次創作ブログです。 取扱は黒バス・黄黒SSとなっております。

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 黄黒SS
 帝光時代。
 
     雪



 彼と出会って、初めての冬。
 白く濁った空からチラチラと降って来た雪の中、上空を見上げ佇む彼の儚げさに手を伸ばした。


 
「黒子っち、雪っスよ!」 
 曇った空から気紛れの様にささやかに舞う冷たい粉雪に感激して、両手を広げて冷たいその感触を堪能する。
「あーん」
 と口を開いたら、一粒ぐらいは食べれるだろうか。
「子供みたいですね」
 そんな風にして久し振りに感じる雪にはしゃいでいたら、くすりと笑われた。
「いーんスよ! 都内に雪って珍しいじゃないっスか。堪能するっス!」
 自主練で最後まで残っていた体育館から飛びだし、雨まじりの雪を頭からかぶる。
「そうですね。この分だと、きっとすぐに止んでしまうでしょうし」
 勢いのない天からの贈り物に掌を翳し呟かれ、ガッカリと肩を落とした。
「あー、やっぱそうっスよね。もっとこう、ゴーッで降らないっスかね」
「そんなに降ったら交通が麻痺して学校に来れませんし、寒いのは少し苦手です」
 言いながら、剥き出しになっている細い二の腕を擦る。 
 バスケをして熱くなった身体が、外気に触れて一気に冷えていってるのだろう。
「寒いっスか? これ着ればいいっスよ!」
 その小さな身体を包み込むみたいに自身の帝光ジャージですっぽり包み込めば、ぶかぶかな服で膨れた雪ダルマが出来上がる。
「おお、カワイイっスよ、黒子っち!」
 ビシリ、と親指を立てて絶賛する。
「…別に、可愛くなくていいですけど」
「はは。でもホント、体冷やしたら駄目っスからね。明日は練習試合だし」
 大き過ぎるジャージに溜息を吐く相手に告げる。
「そうですね。…ボクは末端冷え性で、どうしても指先が冷たいんです。だから、この雪は綺麗ですけど、少し困ります」
 そう苦笑した肌にふわりと落ちる雪が解け滲み、透明感ある白い肌が雪と同化する。
「――っ」
 同じになって、雪が溶けたらこの場所からいなくなるような危うい感覚――。
「――駄目っスよ!」
 ぎゅっと、頼りない体を抱き締める。
「黄瀬君?」
「…駄目っス。いなくなったら駄目っスよ!」
「…ボクは、この雪のように溶けたりしませんよ?」
 ぽんぽん、と宥めるみたいに背を撫でられる。
「…本当っスか?」
 柔かい髪に頬を埋める。
「…何処に消えるって言うんですか」
「…うん」
「ボクは、ここにいますよ」

「――そう言ってたじゃないっスか」
 
 

 二度目の冬。
 彼は、オレの前から姿を消した。
  
 
 
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shima500

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アニメ1話~5話、トドメに4話エンドカード!で落ちました…。
原作好きでアニメは観るの躊躇してた人間とは思えない堕ちっぷりっスよ…。

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