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こちらはヒナの二次創作ブログです。 取扱は黒バス・黄黒SSとなっております。

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黄黒兄弟物語Ⅰー②

 この間upしたSSの続きになります。
 パロが苦手な方はご注意ください。
 設定や注意書きは「黄黒義兄弟物語Ⅰー①」にあります。



 
  黄黒義兄弟物語Ⅰー② 


「なんだよ黒子。今日も昼弁デリバリーかよ」
「へー、黒子。そんな事してんだ」
 朝練で流れた汗を拭きながら火神と降旗が、佇んで見学している黒子に気付いて声を掛けその横に並ぶ。
 爽やかな朝陽が降り注ぎ塵を光らせる帝光高校の体育館は、強豪と謳われるバスケ部の朝練で活気づいている。
「おはようございます、火神君、降旗君。はい、青峰君にです」
「お前もマメだよなー。突然出来た従兄弟に弁当作ってやるなんてよ…」
 お人好し過ぎんじゃねぇの、と火神がクラスメイトの低い位置にある旋毛を一瞥する。
「黄瀬先輩が兄貴で青峰先輩が従兄弟って、黒子スゲェよな。俺ぜったい緊張して喋れなそう…」
 帝光バスケ部に憧れ奮起して受験をし、1軍までの道程は険しいが晴れて入部を果たした降旗は、考えただけでドキドキしてくる胸元を押える。
「自分の分もありますから。それに青峰君は残さず食べてくれますから、作りがいがあります」
 身長差分、どうしても上目遣いになる火神を見上げて黒子は訥々と答える。
「ふーん」
 黒子とは中学の頃からの付き合いだから、一度決めた事には頑固な面を持っている友人に対して火神はそう返事するに留めた。
「あー、もう。もう一回っス、青峰っち! 次こそは抜くっス!」
 邪魔にならない様にコート隅にいた黒子の耳に、悔しげな、けれども嬉しそうな黄瀬の声が入り込む。
「……」
 家ではついぞ聞いた事もない黄瀬の楽しげな声音に、黒子は視線をコート上の黄瀬と青峰に移す。
「…楽しそうですね」
 唇を和らげ、黒子は小さく笑う。
「黄瀬くーん! 頑張ってー!!」
「涼太ー!」
 わ、と上がった声援に、
「――」
 一瞬。一瞬だけ、黄瀬の眦が吊り上がる。
 苛つきを、唇をきつく噛む事で保った様に黒子の目には映った。
「声援どーもー」
 次の瞬間には、黄瀬はにっこり笑ってギャラリーに手を振っている。
 きゃあっ、と沸き上がる悲鳴が体育館に共鳴し建物を震わせる。
「うへー、あいっかわらず、黄瀬先輩の応援は激しいよなー」
 つんざく黄色い悲鳴に、火神は耳朶を押えてげんなりと吐き捨てる。
「すっげぇ笑顔で手ぇ振り返してっけど、あんだけ声援もらうとテンション上がるのか? かえって、うざってぇだけじゃねぇのか?」
「…そうですね」
 ニッコリと、甘い顔立ちを柔和に崩した最強の笑顔。
(けれど、青峰君や、部活のメンバーに向ける無邪気な笑顔とは少し違いますよね。…あ、)
 ジッと黄瀬を見ていたからだろうか。その黄瀬と黒子の視線がかち合う。
「…本当に」
(あからさまに、不機嫌な顔になりますね)
 その二面性の代わり身に、思わずクスリと黒子は笑いを零す。
 モデルをするほどイケメンで。
 将来も有望な、帝光キセキ世代のひとりとして全国に名を馳せるバスケットプレイヤー。
 人当たりが良くて明朗快活。彼女がいても他の女の子にも変わらず優しい。
「…それってつまり、みんな平等って事ですよね?」
 つまり、誰もが一緒だ。
 誰もかれもが一緒で、だから特別がない。
「お。テツだ」
 黄瀬の視線の動きから、青峰も従兄弟になった黒子の存在を確認する。
「…なんで体育館にいるっスか」
「俺の弁当持って来たんだよ」
 チ、と舌打ちした黄瀬に王子面崩してんぞと青峰が脛を蹴る。
「痛いっスよ!」
「お前さー、テツは弟になったんだろーが。その態度おかしくねーか?」
「…だってあいつ、無表情で何考えてるか分かんないスよ」
「あーまぁな…。けどテツはいつもあんな感じって同中の火神が言ってたし、オレはもう慣れたけどな。…それにテツ、いい奴だと思うぜ。飯も美味いし、オレにまで弁当作ってくれるしな」
「…家政夫する時間あるなら、部活でもやればいーんスよ。そうしたらいちいち、『おはようございます』だの『ご飯食べませんか』なんて口出ししなくなるっスかね」
 ボールを奪い合いながらもここ最近に出来た弟の溜まった鬱憤を吐き出す黄瀬に、青峰は眉根を寄せる。
「…お前、テツ嫌いなのかよ」
「……別に。ただずっと他人だったのに、突然弟ってのが面倒なだけっスよ!」
 吐き捨てながら、対峙している青峰を抜き去る。
「それはテツのせいじゃねぇだろーが」
 抜き去ったつもりで、しっかりと順応していた青峰が黄瀬の前に立ち塞がる。
 さすがのスピードに、黄瀬は唇を上げ応える。
「そうっスね。あいつのせいじゃないから、…面倒なんスよ」
(認めた相手しか見たくないのにさ、) 
「あ?」
「視界に入れたくなくても、入ってきちゃうっスから」
「んだよ、そりゃ。女には愛想いいくせして、よくゆーわ」
 黄瀬の手からいとも簡単にボールを奪い、青峰は肩を竦める。
「……それも、どうっスかね?」
「ああん?」
 青峰がシュートしたボールがゴールポストに吸い込まれるのを見つめながら、黄瀬はぽつりと零した。

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アニメ1話~5話、トドメに4話エンドカード!で落ちました…。
原作好きでアニメは観るの躊躇してた人間とは思えない堕ちっぷりっスよ…。

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