vanilla
こちらはヒナの二次創作ブログです。 取扱は黒バス・黄黒SSとなっております。

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黄黒義兄弟物語Ⅰー④

 ここ最近はなんかツイてない事ばっかりでイヤになる…。
 仕事やめたくても現実的には辞めれやしないし…あーもう、うんざりだ。





 そういうストレス発散に書いてきた兄弟物ですが、ようやくここで一区切りです。
 続きはオフでと考えてたんですが、出せる時期がまったく読めないのでもう少しサイトにアップしようかなーと。もし一月下旬に出せそうなら続きはオフでという感じになると思います。
  
  黄黒義兄弟物語Ⅰー④ 



「黄瀬君」
 突然、腕を掴まれる。
 自身の腕を押えた細い指を、ジロリと黄瀬は睨みつける。
「……」
「――」
 それでもただまっすぐに見つめられ続け、その無言さに黄瀬はさらに苛つく。
 いつだってそうだ。黄瀬が嫌味を言っても、そっけない態度を取っても、いつだって平然とし受け止める。
「…なにか用?」
 離れない指に、黄瀬は黒子を冷ややかに睨む。
「用があるなら、さっさと済ませて消えて欲しいんだけど」
「部活、早退してください」
「……なに言ってんの?」
 放課後の部活時間。
 突然コートに乱入してきて、練習をストップさせて。皆に迷惑掛けてまでして。
「テツ?」
 額の汗をユニフォームで拭いながら、青峰も黒子の動向を窺う。
「これ以上は無理です」
「……なにが無理? オレの邪魔するのやめてくんない?」
 20センチはある身長差と、見た目でハッキリとした体格差。
 こんな細い指なんて握り潰してしまえるのだと、黄瀬は込み上げる凶暴な心のままに華奢な指に手を伸ばす。
「君が、バスケを大好きなのは見てわかります」
 小さな唇から流れて来た涼やかで穏やかな声に、黄瀬のその行動がピタリと止まる。
「……は…?」
「ですが、熱があるのに無理をして部活をするのは反対です」
「!――」
(…なんで、分かった…?)
 確かに朝から熱があった。だげど学校を休むほどじゃなかったし、体は少しダルいけれど部活が出来ないほどでもなくて。汗を流せば熱も引くだろうと黄瀬は思っていた。
(…なんで)
 ずっと普通にしていた。
 誰とでも笑って喋って。女にも普段通りに接していた。
 誰も……オレを好きだと告白して、ずっと見てると豪語し取り巻いてる女たちでさえ気付かなかったのに。
 気付かないままオレに纏わりついて、どうでもいい話ばかりを勝手気ままにして騒いで。
 なのに。
(ずっと無視してて、顔だって見ないようにしていた相手がなんで)
「……なんで」
 疑問が口から溢れて零れる。
 なんで分かった。そう尋ねたつもりが、言葉が足りずに違う意味合いとして受け取られる。
「熱がなければ邪魔はしません。ですが、今は邪魔をします」
「違う! …オレが熱あること、なんで分かった?」
「そんなの。黄瀬君を見ていれば分かります」
「――」
 呆気ない程にするりと告げられた言葉に、黄瀬の切れ長の眼差しが見開く。
「夕べから調子が悪そうでした。ですから昨日薬を渡したのに…飲みませんでしたね」
「っ……」
 そうだ。確かに渡された。オレはそれをいつも通りに跳ねのけた。
「ボクに邪魔をされたくなければ、熱を下げてください」
 凛とした声で。立ち姿で。
 中性的でほっそりとした体付きで。でも今は黄瀬よりも凛々しく、自分を否定している相手を臆さず見上げ、けして視線を逸らさないでいる。
「君が、バスケを大好きなのは見てわかります」
「……」
 無言のままの黄瀬をどう取ったのか、説得するには言葉が足りないと思惟したのか、黒子は眉を下げ一度だけ瞳を逸らしてから、黄瀬をまたその双璧に映し出す。
「…ボクも一緒だからです」
「――?」
「ボクも……、バスケが大好きだからです」
「……え…」
「…でもボクは、中学の時にした脚の怪我が原因でバスケが出来なくなりました。怪我をしてからも少しだけ無理をしてしまったからです。…だからこそ、熱があるのに無理をして部活をしている人を放ってはおけません」
「――」
 まっすぐな眼差しが、淋しそうに揺らいだ。
 けれども次の瞬間には、そんな寂しさをなかった事にして微笑む強さが。
「帰りますよ」
「――…」
 眩しくて。
 バスケができなくなったら、自分にはそんな顔できやしなくて。
「……はいっス」
(ああもう…)
 完敗だと思った。
「……黒子っち。ほんと、どうしてオレが体調悪いってわかったっスか。女の子達も分かんなかったのに」
「!――」
 突然、声が和らぎ親しみを込めて呼ばれ、黒子は目を丸める。 
(どうして突然)
「黒子っち?」
 そう口を開きそうになり、いつも冷淡だったくせして、嬉しそうににこにこ笑って自分を覗き込んで来る黄瀬にはもう何も言えなくて。――初めて自分に向けて笑ってくれたその笑顔が、ストンと心に落ちてきて。
「だったらその女の子達は、黄瀬君をあまりよく見ていなかったのかもしれませんね」
 そう答えるだけにした。
「…そうっスね。その通りかもしれないっスね」
(いつだって感じてた。ただオレの上辺だけが好きで、騒いでるんじゃないかって)
 それを認めるのが悔しくて。虚しくて。なら皆が望む黄瀬涼太を演じようなんて思って。
「病院に寄ってから帰りますよ」
 さっきまでは要らない指だったのに。
 少しだけひんやりとした華奢な指に引かれるのが、今は嬉しいなんて。
「……ねぇ黒子っち」
「なんですか?」
「夕飯、黒子っちが作ったご飯食べたいっス」
 甘えれば。
「……分かりました。でも今日はお粥ですからね」
「えー。ハンバーグ食べたいっス! 青峰っちが言ってたっス! 黒子っちのハンバーグ美味しいって!」
「それは体調が良くなってからです」
 さっきまでは狼だったのに、ガラリと子犬のように懐き出した黄瀬に黒子は唇を上げた。
 ようやく黄瀬の眼差しに、自分がしっかりと映り出した事を嬉しく思いながら。

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アニメ1話~5話、トドメに4話エンドカード!で落ちました…。
原作好きでアニメは観るの躊躇してた人間とは思えない堕ちっぷりっスよ…。

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