vanilla
こちらはヒナの二次創作ブログです。 取扱は黒バス・黄黒SSとなっております。

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新刊サンプル

 スバコミのスペースは西2 K36b vanilla です。
 5/5のオンリーにも申し込みをしました。サークル番号はまたのちほどお知らせします。

 新刊はできれば2冊出せたらと思ってます。とりあえず確定した新刊がとらのあな様で予約が始まっていますので、そちらのサンプルをあげさせていただきます。
 
 タイトル「ボクノ彼氏はパイロット」P44 黄黒でファンブックif本。パイロット黄瀬×保父黒子です。
 この本での年齢的に黄瀬は副機長かなーと思い、副機長さんで書きました…ってあとがきに書くのを忘れてしまったのでこちらに…。

 もう一冊は前に出した「Season」の番外編です。相方の希望で黒子にツンだった頃の黄瀬に焦点をあてて書きました。こちらは前作を読まないとわからない話になってます。
 こちらの委託はオンリー後になると思います。
 本編の続編はできたら夏頃に出したいと思ってます。
   
 「ぼくの彼氏はパイロット新刊サンプル          

  

       1  



「もうこんな時間ですか。そろそろ黄瀬君が帰って来ますね」
 機能性のいいシステムキッチンでダイニングの時計を確認した黒子は、擦れたエプロンの肩紐を直しながらテーブルに食器を並べ出す。
 その姿は高校1年の頃よりは成人したぶん顎のラインは若干シャープになり大人びたものの、筋肉の付きにくいほっそりとした華奢な体格もそのままに、少し垂れ目がちな大きな双眸もあの頃のまま、静謐さを秘め続けている。
「国内とはいえ3日間に渡っての便乗務なんて、きっとすごく疲れてるでしょうね」
 黄瀬が席を置く航空会社は通常だと国内と国外をバランスよく勤務するのだそうだが、黄瀬の人気の高さに目を付けた上層部は、長い航路よりも短い航路を往路させる多人数重視の乗客サービスに乗り出した。
「副機長の客室挨拶なんて、普通ありませんよね」
 それでも、その成果で一人勝ち状態な会社は黄瀬に色々と便宜を図ってくれているらしい。
 給料はもちろん、有給も通常より多いらしいから、きっと会社は会社なりに黄瀬を大切にしているのだろうけれど。
「それでも、大変です」
(確か今回は…)
「…羽田から福岡に飛んで、それから福岡から沖縄まで。そして今日が沖縄から羽田まででしたよね。
きちんと睡眠は取るとはいえ…本当にパイロットは神経の張るお仕事ですね」
 溜息を零しつつ誰にともなく呟き、風呂の湯も張っておこうと、キッチンにある給湯器リモコンのボタンをその細い指先で押す。
「ボタン一つでお風呂が沸くなんて、さすが最新式マンションですね」
黒子が黄瀬に誘われるままに、同居をし始めて3カ月。
広々とした部屋の間取りにも慣れ、家族とではない、友人との暮らしに体も心も順応していっている。
もともと黄瀬とは帝光時代に合宿で一緒になった事もあるし、部活で長い間一緒にも過ごしているから、その存在に慣れるのも早かったのだと黒子は思う。
それに。
(きっと、黄瀬君だからですかね) 
いつも明るくオープンな性格をしていると思われがちな黄瀬だが、中学時代からしているモデルや元々の華やかな顔立ちで人目を惹いて騒がれ過ぎていた為に、黄瀬自身は上辺で近付いてくる人間を容赦なく遮断している所があって、昔から好き嫌いも結構ハッキリとしている。
(ボクも最初は、毛嫌いされていましたしね)
その分、自分が認めた人間にはこちらが呆れてしまうほど満面の笑顔を輝かせて懐きまくり、その機敏さで他人を思いやる気持ちもきちんと合わせ持っていて、元々はひとりで本を読みながら静かに過ごす事が好きな、黒子の生活や仕事の邪魔をしない気遣いもしてくれている。
家事を受け持つ事は家賃の代わりにと黒子が言い出した事なのに、せっかくの休日にも仕事に出掛ける黒子の為に早起きをして食事を用意してくれたりと、何かと労わってくれる。
「学生の頃は人気モデルでキセキのバスケットプレーヤー。そして今はパイロット副操縦士なんて。…本当に、恋人がいないほうが謎ですね」
 ふう、と溜息を吐いた黒子は手を動かしながらも、専門学校を卒業し保育園で保父として勤め出した自分が、黄瀬と同居をする切っ掛けとなった過去を思い出す。
「……」
 中学の時に一度離れ高校1年の時に再会をしてから3年間は、学校は違えど共通点であるバスケが自分と黄瀬を繋げ続けた。
そうして高校生活が終わってパイロットを目指す黄瀬が航空大学に入学し、自分は保父になるための学校へ。
道が違えばもうそんなに会う事はなくなるのかと思っていたら、黄瀬は忙しい合間をぬっていつも笑顔で黒子に会いに来てくれた。
 今もこうしてあの頃のまま黄瀬と友人でいられるのは、きっと黄瀬の努力のおかげだろう。
「――それでも、あの時は驚きましたけど」
 黄瀬が副操縦士試験に合格をし、その昇格祝いで一緒にレストランで食事をした時に――



「くくくくく黒子っち!」
 声を詰まらせながら呼び掛けられ、フォークを置いて黒子はテーブルを挟んで真正面に座る黄瀬に顔を向ける。
 綺麗に磨かれたガラス越しに、一望に夜景のパノラマが広がっている。
「はい。なんですか?」
「っ、お、俺っ、今度引っ越しするっス! この試験に受かったら引っ越ししようって決めててっ!」
 突飛な言葉に、けれど黒子はいつもの様に静かに頷いて返す。
「そうなんですか?」
「そ、れでっ、今度のマンションは3LDKで広いんスよ!」
 テーブルに拳を付いて意気込んで顔を近付ける黄瀬に、コクリと黒子は頷いて先程と同じ相槌を打つ。
「そうなんですか」
「そうなんス! それでっスね、黒子っちの仕事場からも近いんス! だからっ…!」
 ごくりと一度喉を鳴らした黄瀬に、黒子は「?」と首を傾げてさらりと髪を揺らす。
「っ…」
 その仕草の可愛さに黄瀬はさらに心臓を早鐘させながら、握った拳にギュッと力を込め、男は度胸と大きく息を吸い込んだままに、今夜いちばんに伝えたい言葉を伝えたい相手にぶつける。
「だからオレと、っ、い、一緒に住まないっスか!?」
「――…はぁ」
 黄瀬の意気込んだそんな台詞に、黒子は小さな唇を開いて呟いただけ。
「も、もちろん家賃とかいらないっスし! オレ高給取りだしっ!!」
「…はぁ」
「だ、駄目っスか?」
 さっきから無表情のまま気のないそぶりの黒子の返事に、黄瀬は涙目になって尋ねる。
 昔から変わらない、見えない耳が垂れているそんな黄瀬の姿にクスリと小さく笑ってから、黒子は姿勢を正し尋ねる。
「保育園から近くなるのは正直助かりますが…、…黄瀬君」
 透明感のある穏やかな声音に、ほんの少し語尾を上げて名を呼ばれるのが大好きな黄瀬がその声に聞き惚れてしまいつつも、黒子の真っ直ぐな真剣味を帯びた視線になんとかドモりながらも返事をすれば。
「はっ、はいっス!?」
「その引っ越しは、……誰かと住む為にするんじゃないんですか?」
「――は!?」
 黒子のそんな問いに、黄瀬はあんぐりと口を開く。
「ですから、そんなに広いマンションに引っ越しを決めたなら、何方かと……同居をする為に選んだんじゃないんですか? ボクを誘ってしまっていいんですか?」
「え!? ええ!?」
 驚いて素っ頓狂な声を上げてばかりの黄瀬に、少しだけ黒子は苛立ち眉を潜める。
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アニメ1話~5話、トドメに4話エンドカード!で落ちました…。
原作好きでアニメは観るの躊躇してた人間とは思えない堕ちっぷりっスよ…。

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