vanilla
こちらはヒナの二次創作ブログです。 取扱は黒バス・黄黒SSとなっております。

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黒子in海常⑦

 今回でとりあえず一段落です。
 青峰をまだ出していないし、もう少し続けたいのですが8月のオフ本にいったん集中します。





 つづきから黒子in海常⑦

「どうかしたんですか?」
「……」
 梅雨が明け、また厳しい夏が来る一歩手前の爽やかな陽気に誘われ、昼休みを屋上で過ごしていたら。
 さっきから頬を膨らませ、紙パックのジュースを不機嫌そうに眉を潜め啜っている黄瀬に、黒子は首を傾げ問う。
「……黒子っち」
「はい」
「オレに何か言うことないっスか」
 屋上の壁に背中を預け長い脚を伸ばし、チラリと黒子を横目で窺いながら黄瀬が問う。
「言うことですか?」
「そうっス」
「……あ、そういえば」
「! なんスか!?」
 意気込み、ブシュッ、と飲み残しのジュースをストローから逆流させながら黒子に這い寄って来る黄瀬に、黒子はハンカチを渡しながら答える。
「明日は他高と練習試合らしいですよ。黄瀬君は昨日バイトで部を休みましたから、まだ知らないですよね」
「…そーいう事じゃないっスよ~」
 情けない声を出し渡されたハンカチで流れる涙を拭う黄瀬に、イラッと黒子の額に怒号マークが浮かぶ。
「ではいったいなんですか?」
「ほんっとうに、オレに言う事ないっスか!?」
「ないです」
 気に入りのサンドウィッチを齧りながら、黒子は冷静に答える。
「ちよっ、本当に本当っスか!? オレに噓ついてないっスか!?」
 そんな黒子の返事に納得しない黄瀬が、パンを一定のスピードで食している黒子の薄い肩をガクガクと揺さぶる。
「…黄瀬君」
昼食を邪魔され、苛つきも限界になった黒子の揃えた指先が黄瀬の腹をビシリと打つ。
「しつこいですよ」
「うっ…」
 撃たれた腹を擦りながら、黄瀬は呻き声を上げる。
「何をそんなに気にしてるんですか?」
「……じゃあ言うっスけど、さっき黒子っち、クラスの女子からラブレター貰ってたっスよね!?」
「……ラブレター、ですか?」
 黄瀬の言葉に、黒子は首を傾げる。
「さっき黒子っち迎に行ったとき見たっスよ! 背が黒子っちと同じぐらいで、ストレートの髪で、けっこう可愛かったっス!」
「……可愛かったですか。なら良かったですね」
 制服の上着ポケットにしまっていた手紙を、黒子は「どうぞ」と黄瀬に手渡す。
「――は?」
「黄瀬君に渡して欲しいと頼まれました」
「……は?」
 間抜けにも驚きでパカリと大きく開かれた黄瀬の口内に、食べ掛けていたサンドウィッチを放り入れてから黒子は立ち上がる。
「渡せたらでいいと仰っていたので、申し訳ないですがそうしようと思っていましたが、そんなに黄瀬君が気にするなら渡しますね」
「く、くりょこっち、待ってっス!」
 口内を占領するパンを急いで噛み飲み込み声をドモらせながら、ダイブする勢いで黒子の細い腰に両手を巻きつかせ黄瀬は黒子に確認する。
「く、黒子っち! オレに渡したくないってそれ、…嫉妬っスか!?」
 まさか黒子っちがそんなまさか、と切れ長の目を驚愕に見開き黄瀬は黒子の隠れた横顔に問う。
「……嫉妬じゃないです。ただボクは何も言い忘れた事はありませんと答えただけです」
 いつもの様に淡々と喋りつつも、色白の黒子の耳が真っ赤なのに黄瀬はゴクリと唾を飲み込み抱いた腰に力をこめる。
「黒子っち、もしかしてオレの事好きになってくれたっスか!?」
 期待と希望に胸を膨らませ、きらきらとと輝かしい眼差しに、
「……さぁ。どうでしょう」
 冷たく言いながらも黒子の耳朶の赤みが、今や首にまで浸透をしている。
 衣替えが終わり、その華奢な腕には黄瀬が贈った腕時計が太陽の逆光をうけている。
 黄瀬の腕にも、黒子から貰った腕時計が嵌められている。
「可愛いっ、黒子っちぃぃぃ!」
 キュンキュンと黄瀬の胸に甘酸っぱさが広がり、滾った思いのままに、照れをひた隠しにする黒子を胸元に抱き締め直す。
「…苦しいです」
 黄瀬の胸元に唇を埋める形となった黒子からのクレームをさらりと流し、黄瀬が微笑む。
「黒子っち、好きだよ。世界で一番大切っス」
「……」
「オレと付き合って?」
「――」
 鮮やかな黄金。
明るい色の髪に反射する光とか、高揚し金に輝く双眸とか。
(ボクを見つめるその笑顔とか) 
「……自分が格好いいって知ってるのは、いっそアザといですね」
「へへっ。黒子っちに好かれる為だったらなんだって武器にするっス! 馬鹿な女ばっかり寄って来る顔なんて嫌いだったっスけど、黒子っちがこの顔を好きって言ってくれるなら、オレもっと格好良くなる努力するっス!」
 ぎゅうぎゅうに抱きつぶされ、頬に頭をすりつけられながら黒子は溜息を吐く。
「…それ以上、格好良くなってどうするんですか」
「黒子っちに、もっともっと惚れてもらうっス!」
「…君はまったく…」
 断言に、黒子はもう苦笑するしかない。
「呆れるほどの馬鹿です。…でも、そんな黄瀬君は嫌いじゃないですよ」
「黒子っち、それって…」
「……もういいですかね。認めてしまっても」
「え、え、今なんて言ったの黒子っち?」
 ぽつりと呟いた黒子に、黄瀬が焦って顔を寄せる。
「はい。好きですよ、黄瀬君が」
「………」
 ポロリ、と黄瀬の頬に流れた涙を黄瀬が持っていたハンカチで拭ってやる。
「君は本当に泣き虫ですね」



 
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アニメ1話~5話、トドメに4話エンドカード!で落ちました…。
原作好きでアニメは観るの躊躇してた人間とは思えない堕ちっぷりっスよ…。

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